登る前に勝負は始まっている。オブザベーションで変わる、ボルダーとリードの楽しみ方
こんにちは、スクエアクライミングセンターです。
壁の前でじっとホールドを見つめ、登る前から体を動かしているクライマーを見かけたことはありませんか?
これは「オブザベーション(観察)」と呼ばれる、登る前にルートや課題を読み解く時間です。次に持つホールド、足を置く場所、体の向き、休めるポイントまでを考えることで、登りの成功率も面白さもぐっと変わります。
ボルダリングでもリードクライミングでも大切なオブザベーション。けれど、注目したいポイントは少し異なります。
オブザベーションとは?
オブザベーションとは、登る前に壁全体を見て「どのように登るか」を組み立てることです。
「次は右手であのホールドを取る」「ここは左足を高く上げる」「あそこで一度姿勢を整える」と、頭の中で登る動きをイメージします。実際に登ってみると予想どおりにいかないこともありますが、その修正もまたクライミングの醍醐味です。
まずは次の3点を見る習慣から始めてみましょう。
- スタートからゴールまで、使うホールドを追う
- 足を置くホールドを先に探す
- 登りにくそうな一手と、楽に立てそうな場所を見つける
ボルダリングでは「核心」と「一手先」に注目
ボルダリングは短い距離の中に、難しい動きが凝縮されています。そのため、課題の中で最も難しそうな「核心(クラックス)」を見つけることが重要です。
たとえば、遠いホールドを取る一手、足が切れやすい場面、バランスを崩しやすいスラブなど。「ここが難しそう」と分かるだけでも、挑戦前に必要な準備ができます。
また、狙うホールドだけではなく、その次の一手まで考えておくのもポイントです。ホールドを取れたとしても、次の動きにつながる体勢でなければ止まれません。
ボルダリングで見るポイント
- スタート時に、どの手・どの足をどこへ置くか
- 核心の前で、体をどの向きに作るか
- 遠い一手は、足で押すのか、体を振るのか
- ゴールを取った後、安定して降りられるか
失敗したときは、「届かなかった」のか「持てなかった」のか「足が残らなかった」のかを振り返ってみましょう。原因が分かれば、次のトライでは狙いを絞って試せます。
リードクライミングでは「省エネ」と「クリップ」まで読む
リードクライミングでは、長いルートを登り切るための持久力とペース配分が必要です。さらにロープをクリップするタイミングも考えなければなりません。
ボルダリングのように一つの核心へ集中するだけでなく、「どこで休めるか」「どの手でクリップするか」「ロープが動きを邪魔しないか」まで、全体の流れを見通すことが大切です。
リードで見るポイント
- 大きく腕を使わずに登れそうな区間
- 手を振ったり、呼吸を整えたりできるレストポイント
- クリップ前後に、安定した体勢を作れるホールド
- 核心を越えた後に、腕が残っているか
- ロープが足に掛からない登り方ができるか
特にクリップは、無理な体勢で急いで行うより、少し余裕のある場所で落ち着いて行うほうが安全です。登る前に各ボルトの位置を確認し、「ここでクリップできそう」と考えておくと、壁の途中でも慌てにくくなります。
上手な人の登りを観察するのも、立派なオブザベーション
自分だけでは動きが思い浮かばないときは、ほかのクライマーの登りを見るのもおすすめです。
「その足を使うのか」「先に体をひねるのか」と、新しい発見がたくさんあります。ただし、身長・リーチ・得意な動きは人それぞれ。同じムーブをそのまま再現するだけでなく、自分の体格ならどう調整できるかを考えてみましょう。
ジムでは、分からない課題についてスタッフや周囲のクライマーに尋ねてみるのも一つの方法です。言葉にして相談することで、自分では見えていなかった選択肢が見つかるかもしれません。
完璧に読めなくても大丈夫
オブザベーションの目的は、最初から正解を当てることではありません。登る前に仮説を立て、登った結果から次の一手を考えることです。
「この足なら届くと思ったけれど、体が壁から離れてしまった」
「ここで休めると思ったけれど、意外と腕が張る」
そんな発見を重ねるほど、登り方の引き出しは増えていきます。ボルダリングでは一手の精度を、リードでは全体の流れを意識して、ぜひ登る前の数分も楽しんでみてください。
当ジムでも、課題の読み方や登り方についてスタッフがお手伝いします。気になる課題があれば、どうぞお気軽にお声がけください。
SCC





